JSFが道を誤っていなければ違う世の中になっていたかもしれない

JSFは当初、JavaEE標準のWebフレームワークとして大きな期待を受けて登場しました。かなり話題になっていましたし、1.0がリリースされる前から書籍もたくさん出ていました。しかし、海外ではどうかわかりませんが、少なくとも日本ではあまり使われることはなく、現在もStruts最強という状態が続いています。
この状況を見かねたひがさんはStrutsをラップして使いやすくしたSAStruts(もはやStrutsとは別物ですが)を作り、Strutsの悪夢に悩まされる国内の多くのプログラマに救いの手を差し伸べました。また、WicketやClickなどを使っている人もいるでしょうが少数派でしょう。Struts2のことはよくわかりません。今度調べてみよう。
個人的には、JSFはその複雑なアーキテクチャゆえ性能面の問題を抱えており、MS AccessVBなどで行っていた簡単な業務をWeb化するためのソリューションとしては有効であるものの、膨大なアクセス数を捌かなければならない巨大なBtoCサイトなどにはまったく向かないフレームワークだと思っています。
日本では適材適所よりも、汎用化された1つのフレームワークでなんでもやる、という傾向が強いように思います。大きなSIerやユーザ企業では全社で使用する社内標準フレームワークを整備していたりしますが、こういうフレームワークが汎用的なものにせざるを得ないのでStrutsを選択するという行動は理解できます(向いてないシステムに無理やり使わせるのはやめてほしいですが…)。
ただ、僕は別にJSFが技術的に間違っていたのか?ということを言いたいわけではありません。
当時も今も、JavaにおけるWeb開発ではStrutsが主流のままです。この状態を唯一変えることのできる可能性を持っていたのがJSF 1.0だったと思うのです。当時、国内でもEJB3の登場とあわせてそのくらいの期待感はあったと思います。
なので、JSFがコケたことによる罪は結構大きいんじゃないかなぁと思っています。
それと、JSFもそうなのですが、JSRとかを見てると、やはりフレームワークというのはトップダウンで仕様から決めていくのではなく。ボトムアップで要求から必要なものを積み上げていかないと使いやすいものはなかなかできなんじゃないかと思います。