Scala実践プログラミング―オープンソース徹底活用

Scalaに関する実践的な内容を扱った書籍ということで随分前から楽しみにしていた「Scala実践プログラミング」ですが、先週は通勤経路の書店で入手できず、週末にようやくゲットしました。

早速流し読みしてみたのですが、期待していた実践編がかなり拍子抜けな感じでした。
ページ数の問題もあったのだと思いますが、開発環境やフレームワーク、現場でのScalaあたりは本当にさらっと触れているだけで、これならむしろなくてもいいんじゃないか、と感じるレベル。内容というより企画の問題のような気がしますが、書籍の方向性というか、ターゲットが絞り込めていないのでは?という印象を受けました。
ただ、Scala自体の説明をしている概要編や、実践編の中でもデザインパターンの話やJavaとの連携などについては勉強になる内容が多かったです。コップ本と比べて読みやすく書かれていることもあってScalaの入門書として読むには良い書籍だと思いました。また、Scala 2.9の情報がコラムで書かれているのも個人的にはよかったです。著者さんの力量に疑問の余地はないだけに、本の作りの部分で惜しいなぁ…と感じました。
最近仕事でScalaを使いだしたこともあり、勝手に実践編に(しかも、かなり!)期待を膨らませていたのでやや辛口の感想にはなってしまいましたが、最初に読むScala本としては現状ベストの書籍なのではないでしょうか。コップ本が難解で挫けてしまったという方はこの本を読んみるといいと思います。