イマドキのIDE事情 第137回 Travis CIとBuildHive、オンラインCIサービスを活用しよう

IDE連載の第137回です。今回はオンラインCIサービスということでTravis CIとBuildHiveを紹介させていただきました。「IDEじゃないじゃん!」という突っ込みが入りそうですが、開発環境に関するトピックを幅広く取り上げさせていただくということでご容赦いただければと思います。

Travis CIとBuildHiveはどちらもGithubと連携したオンラインCIサービスという点ではよく似ていますが、細かい部分を比較すると、Travis CIは独自の設定ファイルをリポジトリにコミットしておく必要があるものの対応言語が多くクロスバージョンでのビルドが可能など柔軟性も高そう、という印象です。これに対してBuildHiveはプロジェクトの構造から自動的に最適なテンプレートを使用してジョブの設定を行ってくれたり、成果物やワークスペースを参照することができるなどJenkinsを使用しているだけのことはありユーザフレンドリーな感じです。
どちらのサービスも任意のコマンドを実行することもできるので、複雑な構成のプロジェクトでもビルドすることができます。例えばBuildHiveではMavenなどを使用しているプロジェクトでも、リポジトリのルートに設定ファイル(pom.xmlなど)がないとMavenプロジェクトとは見なされずビルドを行うことができませんが、ジョブの設定画面でプロジェクトのルートディレクトリにcdしてmvnコマンドを実行するようなスクリプトを入力することでビルドを行うことができます。
すでに様々なOSSホスティングサイトでソースコードリポジトリWiki、課題管理などは無償で利用することが出来ますが、CIツールまでオンラインで利用できるようになるとは正直驚きです(特にCIツールはリソースを食うのでサービスとしては効率が悪そうな気がしますね…)。OSSプロジェクトであれば開発に必要なインフラはすべて無償で利用できる時代になったといっても過言ではないでしょう。それもただ無償なだけではなく、GithubTravis CI、BuildHiveなどのような非常に使いやすいツールが利用できるのです。SourceForge.netでCVSや使いにくいフォーラムでも無償で使えるのであればと喜んで使っていたのが遠い昔のことのようです。
すでにOSSを開発している方はもちろん、これから開発してみようと考えている方も是非これらのサービスを活用していただきたいと思います。