2013年の振り返り

今年も引き続きScalaの一年でした。去年の振り返りで「しんどい一年だった」と書いたのですが、今年はそれ以上にしんどい一年でした(まだ終わってないけど…)。夏頃はそうでもなかったんですけどね…。世の中なかなかうまくいかないものです。

仕事関係

今までの仕込みや外部へのアピールの成果もあり、昨年からScala中心で仕事ができるようになりました。

Scalaは中小規模の業務アプリケーションを少人数でゴリゴリ作るのに非常に威力を発揮しています。個人的には安全なプログラミングがLL並みの記述量で実現できるというところがScalaのメリットだと感じていて、以前はScalaはLLの開発効率が求められるWeb系の領域に型安全なプログラミングを導入するために使用するのに適していると思っていたのですが、近頃はむしろカッチリ作る業務アプリのほうが向いているのではないかと思うようになりました。

また、数年前からJBoss関連のプロジェクトに関わっていたのですが、今年前半でそちらからは完全に離れてしまいました。トランザクションマネージャやメッセージングなどの普段では触れないコアな部分の解析など非常に勉強になることが多いプロジェクトでしたが、逆に実際にソースを読んだり検証を繰り返しているうちにJBoss(というかJavaEEサーバ全般)を使うのがかなり怖くなりましたw

いろいろあって10月頃から仕事が猛烈に忙しくなってしまい、仕事以外ほとんど何もできない状況が数ヶ月続いています。体力的に非常にキツいのですが、まあなんとか乗り切っていきたいところです。

OSS活動

ここ数年は執筆などで時間もなくてちまちまとScala関連のライブラリを作ったりしている程度でしたが、今年は久々にGitBucketというプロダクトを出すことができました。Hacker News効果で物凄い勢いでGithubのスターが伸びたのには驚きました。

もともと自社でGitLabを使っていたのですが、インストールがあまりにも面倒だったのでJenkinsのように手軽に使える物が欲しいと思って作り始めたものです。ちょうど夏頃にまとまった時間を取れる時期があったので、ベースとなる部分はそこで一気に作りました。その後は月一回のペースでバージョンアップを継続しています。

去年から今年にかけてのプロジェクトではPlay2であまり本質的ではない部分でかなりいろいろと苦労したので、最近はScalatraをメインに使っているのですが(今仕事でやっているプロジェクトでもGitBucketでもScalatraを使っています)、Scalatraのコミット権を貰ったのに何もできていないのはちょっと申し訳ないですね。

あと、Clickも開発が止まってるのでAttic行きか?みたいな話もありました。結局ユーザさんからの声でプロジェクトを継続する方向になりましたが、こちらも何もできていないので申し訳ない気持ちでいっぱいです。

その他

Scala Conference 2013で会社としてスポンサーをさせていただいたり、取材対応やScala関連のイベントや勉強会でお話をさせていただいたり、外部向けの活動も久しぶりに多かった年でした。

執筆に関しては独習JavaScriptの改訂作業が終わったあと、新しい書籍の執筆に着手しています。これは数年前に一度執筆したものの途中で頓挫してしまい発売されなかったのですが、出すならここしかないというタイミングだったこともあり、こちらからお願いして再始動させていただいたものです。今まさに締切目前で、来年の春に発売される予定です。

ただ、10月頃から仕事が猛烈に忙しくなり、書籍の原稿の締切も重なってしまったことでIDE連載をお休みさせていただくことになってしまったのは無念です。とりあえず年内は休載させていただいているのですが、この調子だと年明けもしばらくはお休みさせていただかないとキツいかもしれません。

仕事が急激に忙しくなったのもあるのですが、書籍の執筆は作業が長期間に渡ることもあり時間的に厳しくなってしまうことが多く、そろそろ無理もきかなお年頃ということもあり、今やっている書籍が終わったら今度こそしばらく書籍の執筆はお休みさせていただこうと思っているのですが、果たしてどうなることやら…。

まとめ

ここまで書いてきたこととはあまり関係ありませんが、今年はいろいろな意味で区切りになる一年だったと思います。年齢的なものもあり、数年前から柄にもなく今後の方向性について悩んでいたりもしていたのですが、なんというか踏ん切りがついた部分があります。

ここ2〜3年取り組んできた、業務へのScalaの導入という課題に対しては、実際に仕事にも使えるし、どのようなメリットがあるのかということも具体的に示すことができたので自分の中では一区切りついた感があります。来年はさらなる新しいチャレンジができればと思っています。