Scala逆引きレシピで書ききれなかったこと

約600ページとかなりボリュームのある「Scala逆引きレシピ」ですが、例によって書ききれなかったことも沢山あります。

たとえばフレームワークについては当初は以下のようなものも候補に挙げていました。

  • Lift
  • Unfiltered
  • Bowler
  • Xitrum
  • Circumflex
  • Squeryl
  • Querulous
  • O/R Broker

これらは調査した結果、他のフレームワークと被る部分があったり、機能的にイマイチだったりで取り上げるのは見送りました。「逆引きレシピ」なので、あまり普段使わないようなマニアックなものを入れても仕方ないですし。(あと、「現場で使えるJavaライブラリ」のときと違って自作のプロダクトを紹介するのは控えましたw Amazonのレビューでも突っ込まれてしまったので…^^)
また、ライブラリに関してもJSONは最近の流れ的にはsjsonではなくlift-jsonのほうがよかったかも…とか、Scala IO 0.4.0で導入されたProcessor APIをきちんと取り上げることができなかったり(コラムで少しだけ触れています)、Scala 2.10もM3で動作確認をしていたのですが、三校の最終確認中にM4がリリースされて微妙に変わっていたりなど時間との戦いみたいな部分もありました。
とはいえ、全体的には満足いく内容に仕上げることができたと思います。タイミング的にもScala 2.9系が安定して使われるようになり、Play2やAkka2といった注目のプロダクトがリリースされ、Scala 2.10の新機能も具体的に見えてきたという、ちょうどよいタイミングで出すことができたのではないかと思います。Scala界隈は動きが激しいとはいえ、以前と比べるとやや落ち着いてきた感はあるのでこの書籍の内容がすぐに古くなってしまうということもないでしょうし、もう少し時間をかけるとScala 2.10が出てしまい、各種ライブラリやフレームワークの2.10対応など周辺環境を含めて安定するまでしばらく時間がかかりそうなので、こういった書籍はしばらく出せないでしょうし。
執筆を進めつつ、Scala 2.10の動向やScala Daysの日程を見つつスケジュールを調整していたわけですが、結果的にうまくいったのではないかと思います。