イマドキのIDE事情 第145回 タッチでWebアプリ開発!「TouchDevelop」が見せるタッチデバイスの可能性

IDE連載の第145回です。今回はブラウザ上でタッチ操作でWebアプリを開発できるTouchDevelopを紹介しています。

TouchDevelopはMicrosoft Researchが開発しているWebベースのIDEですが、タッチ操作に最適化されているという特徴があります。実際にAndroidタブレット上のChromeで操作してみましたが、操作性もよく、動作もなかなか軽快でした。
iPadAndroidタブレット、さらにはWindows 8とクライアント端末ではタッチデバイスが普及しつつあります。これらは基本的にコンテンツを消費するためのデバイスと考えられています。もちろんこれまでもWebブラウザ上で動作するIDEや、タブレット上で動作するIDEはありましたが、従来のデスクトップアプリケーションとしてのIDEをそのまま持ってきたようなものが多く、仮に機能面が充実したとしてもタッチデバイスでの実用性は正直微妙な感じでした。
TouchDevelopは単にタッチで操作できるIDEというわけではなく、タッチデバイス上での現実的なプログラミングスタイルを提案しています。しかもビジュアルプログラミングにありがちなトイ言語ではなく、汎用的なプログラミング言語と同等の記述能力を持っています。これは今までにないクラウド時代のIDEの未来の姿を感じさせてくれる非常に興味深い開発環境だと思います。タブレット端末をお持ちの方は是非実際に試してみていただきたいです。
なお、TouchDevelopは同じくMicrosoftが開発しているTypeScriptというJavaScriptの代替言語で開発されているようです。これは性能面も含めてTypeScriptがすでにリッチなWebアプリケーションの開発において実用的な言語であるということを示しているといえます。今後のMicrosoftは要注目かもしれません。