AndroidのKindleアプリで少しずつ読んでいたのですが、ようやく読み終わりました。
Chef Soloの入門書として非常に読みやすくまとまっています。Chef Soloはどういうもので何ができるのか？を知るためにエアーで読んでもいいですし、実際に手を動かしながら読み進めてもいいと思います。実際にChef Soloを使う際にはVargrantとの連携や、著者の伊藤さんのノウハウ的な部分も参考になるのではないかと思います。単なるハウツー本ではなく、実際にChef Soloを使い込まれている方が書かれているな、ということが伝わってくる良書です。
電子書籍としても読みやすい章構成・分量で、価格にも納得感があります。IT技術は非常に多様化しているので、こういう感じでセグメント分けされた少量のコンテンツを安価に提供するというスタイルが技術書の未来なのではないかと思います。紙媒体だとあまりにニッチなものは出しにくいですが、電子書籍だとそういうものも出版できるようになるのではという可能性を感じます。
一方で出版物としては、出版社の編集さんが入っていれば…と感じる詰めの甘い部分も若干見受けられます。やはり編集さんの校正を通すことで出版物としてのクオリティは確実に上がります。ただ、ここはコストとのトレードオフになるので「安くなるならあり」というのも1つの考え方だと思います。
また、分量や章構成が考えられているとはいえ、技術書を電子媒体で読むのはきついなぁ、と感じるところは正直ありました。小説や漫画など読み進めていくだけのものと違い、技術書は読みながら前後に行ったり来たりしたり、部分的に読み返したりすることが多いので、そういう部分で単純に紙のほうが読みやすいんですよね。とはいえこれも「場所を取らない」「携帯性に優れる」といったメリットとのトレードオフなので難しいところです。
必要に応じて紙媒体を安価にオンデマンド印刷できるような形がいいんでしょうかね。
