AWS西谷さんによるAWS re:Invent 2015アップデート

今週の社内勉強会はAWSの西谷さんにお越しいただき「AWS re:Invent 2015アップデート」と題して先日ラスベガスで開催されたre:Invent 2015の前後に発表されたものも含め最近のAWSの新サービスや新機能をご紹介いただきました。

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非常に多くの新サービスや新機能があるのですが、個人的に印象に残っているものを挙げておきます。

AWS IoT

デバイスとAWSを接続するためサービスで、例えばMQTTでのセキュアなアクセスであったり、接続が断続的になるデバイスとの通信をシャドウという機能で代替してくれたりといった機能があるようです。デバイス側で利用可能なSDKが提供されるだけでなく、パートナー企業からはSDKが組み込まれたAWS IoT Readyなデバイスも販売されるようです。

Amazon QuickSight

AWS上のRDSやRedshiftなどをデータソースとして利用可能なBIツールで、これも発表時にかなり話題になっていましたね。機能面では商用のBIツールには劣るかもしれませんが、別途ソフトウェアを導入しなくても利用することができ、料金も安いので、すでにAWSで稼働しているサービスのデータ分析を始めたいというありがちなケースにはすごくフィットするのではないかと思います。

Amazon Kinesis

Kinesisは単独のサービスではなく複数のサービスからなるKinesisファミリーとなっており、Kinesis AnalyticsでKinesisのストリームデータに対してSQLで集計・分析を行うことができたり、Kinesis FirehoseでKinesisのデータをS3やRedshiftにインポートすることができるようになったそうです。これまでバックアップや集計処理のために自前でミドルウェアを運用したり、Kinesisアプリケーションを作っていたようなケースを巻き取ることができそうです。

AWS Import/Export Snowball

インターネット経由だとコピーに時間がかかる大容量データをAWSにインポート/エクスポートするためのサービスとのことで、物理的に郵送されてきたディスクにデータをコピーして送り返すとAWS側でインポートしてくれるというものだそうです。SIをやっていると実際こういうニーズはあるので、Dedicated Hostsもそうですが、AWSは最先端の新サービスだけでなく、顧客のニーズに対してきちんと穴を潰しに来ているなということを強く感じました。

Amazon EC2 Dedicated Hosts

EC2で物理サーバーを占有できるというサービスで、物理サーバー前提のライセンス体系にソフトウェアをEC2で利用できるようになります。オンプレから移行の障害になりそうな点がまたひとつ解消されますね。

AWS Lambda

Lambdaの新機能は大きな話題になりましたね。実行可能時間が伸びたこと、スケジューリングが可能になったこと、VPC内のリソースにアクセスできるようになったことなど、多くの改善が行われ、活用の幅が一気に広がった感があります。サーバレスアーキテクチャの肝になるサービスですが、本格的なシステムをLambda中心の構成で構築するとなると開発・運用のやり方はまだまだ試行錯誤が必要になりそうです。

Amazon Elasticsearch Service

AWS上でKibana入りのElasticsearchクラスタを簡単に利用できるサービスです。kuromojiは入っていますがユーザ辞書のカスタマイズはできないようで、カテゴリがAnalyticsで提供されていることからもわかるようにKibana用に提供されているという側面が強いようです。EC2にElasticsearchを立ててKinabaを使っているというケースをマネージドなサービスで代替することができるようになります。

まとめ

もちろん上記はほんの一部だけですが、こうやって見てみるだけでもここ最近AWSはものすごい勢いで新サービスや新機能を出してきていることがわかります。IoTやLambdaといった新しい分野・アプローチのサービスだけでなく、オンプレからの移行を促進したり、既存のサービスではカバーしきれていない領域やユースケースを地道に潰す動きもあり、ますます隙がなくなってきていると感じました。

西谷さん、お忙しい中お越しいただきありがとうございました!