日本ではいわゆる「コップ本」として有名なScalaのバイブル「Programming in Scala」の第三版が発売されました。
Programming in Scala: A Comprehensive Step-by-Step Guide, Third Edition (English Edition)
- 作者: Martin Odersky,Lex Spoon,Bill Venners
- 出版社/メーカー: Artima Press
- 発売日: 2016/04/27
- メディア: Kindle版
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早速PDF版(Artimaのサイトから購入できます)を購入して第二版との差分をチェックしてみたのですが、ざっと流し読みして気づいたのは以下のような点です。
- AppトレイトやString Interpolation、Value Class、Implicit ClassなどScala 2.9以降で追加された新機能がフォローされている
- テストの章からJUnitやTestNGの話が削除されScalaTestの最新版の内容にアップデートされている、
- Javaとの相互運用の章ではScala 2.12でのJava8インテグレーション(ラムダやStream API)について追記されている
- 並行プログラミングの章はアクターに関する記述が削除されており、Futureを用いたプログラミングの解説になっている
ただ、個人的に第一版の頃からGUIプログラミングやスプレッドシートの章は必要なのだろうか?という疑問があったり…。また、ScalaコレクションからJavaコレクションへの変換は相変わらずJavaConvertersではなくJavaConversionsしか紹介されていないなど、やや詰めの甘い部分も見受けられます。
とはいえこれだけしっかりしたScalaの本は他にありませんし、第二版が結構古くなっているということもあり、日本語版のアップデートも期待したいところです。