Scala Days 2016 NewYork 2日目

ニューヨーク寒いです。今日もサイバーエージェントさんに負けずに参加したセッションを紹介したいと思います。

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Introducing the Scala Center

今日はHeatherさんのキーノートから始まりました。

Scala CenterはScalaの教育コンテンツの開発とオープンソースコミュニティの整備の2つが柱で、Scalaの開発に関してはASFのような組織化された開発コミュニティの構築・運用を支援していくようです。Courseraで提供予定の教材の紹介や、ScaladexというScalaライブラリなどを検索できるサービスを開発しているそうで、デモなども行っていました。

まだ立ち上がったばかりで先行きが不透明な部分もありますが、今後の動向に注目したいところです。

Lightbend Lagom: Microservices "Just Right"

www.slideshare.net

このブログでも度々記事を書いているLagomの入門的なセッションでした。ScalaDaysなのにJavaフレームワークの話をしていいのかと思っていたのですが、スライドのサンプルコードがScalaになっていました。「Scala APIはまだないけどJava APIScalaから使うことはできるよ」とのこと。それでいいのかw

今後はMavenのサポートやConductR以外のオーケストレーションツールやSwaggerなどのインテグレーション、インテグレーションテストのサポートなど周辺機能を拡充していくようです。Lagomどうなんでしょうねぇ…。

CBT - A New, Intuitive Build Tool for Scala

SBTがいけてないから自分でビルドツール作っちゃったよ!という話でした。ちなみにそのビルドツールがこちらです。

github.com

SBTの問題点とそれに対してCBTはどうなっているのかという説明とデモ、今後はコミュニティを広げていきたいという話をしていました。実際に使い勝手はよさそうなのですが、IDEとの連携なども考えないと支持を得るのは難しいかなと感じました。参加者は少なかったのですが、個人的には面白いセッションでした。

Why The Free Monad Isn't Free

www.slideshare.net

Freeモナドの紹介で、Beginner向けと書いてあったので大丈夫なのかなと思って参加したのですが実際にわかりやすかったです。モナドに対してある程度の知識があればFreeモナドがどういうものかは十分理解できる内容だったのではないかと思います。また、Freeモナドやそのメリットを紹介した後で、でもオーバーエンジニアリングはよくないとしっかり釘を刺していたのも好感度高かったです。

Transactional Event Sourcing Using Slick (Audit Log for Free!)

www.slideshare.net

Slick3でイベントソーシングをやるライブラリを作ったという話でした。RDBMSを使うことでイベントソーシングのメリットを享受しつつトランザクションスキーマSQLといったRDBMSの機能を使うことができるという趣旨だったのですが、RDBMSCRUDベースの一部にイベントソーシングを適用したい場合など、データ量が限られていてさほどスケールしなくてもいい状況であれば現実的なアプローチかもしれないと感じました。

github.com

その他

個人的には昨日購入したProgramming in ScalaにOdersky先生とBillさんのサインをいただいたり、GitBucketユーザの方と直接お話しする機会があったり、同じスタンディングデスクでご飯を食べてた人に話しかけたらbetter-filesの作者の人だったり(明日better-filesの話をするんだけど同じ時間にScala Nativeのセッションがあって残念だと言ってました)と、セッション以外でもいろいろと楽しむことができた1日でした。