Scala Puzzlersという本の翻訳をしていました

ここ二ヶ月ほどScala Puzzlersという本の翻訳をしていました。邦題は「Scalaパズル 36の罠から学ぶベストプラクティス」で翔泳社さんから2月頭に発売になります。

Scalaパズル 36の罠から学ぶベストプラクティス

Scalaパズル 36の罠から学ぶベストプラクティス

  • 作者: アンドリュー・フィリップス,ネルミン・セリフォヴィック,竹添直樹,島本多可子
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2016/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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以前から書籍の翻訳を一度やってみたいと思っていたのですが、技術的に自分の得意かつモチベーションのある分野で、分量や内容的に手に負えるもので、さらに商品として成立する可能性のあるものという条件を満たすタイトルがなかなか見つからなかったのですが*1、今回幸運にもScala Puzzlersの翻訳をやらせていただくことができました。

作業はシルバーウィークあたりから本格的に取り掛かり、ひたすらロボのように翻訳し続け、一通りレビューと校正をかけるところまで約一ヶ月、それから初校を出していただいて3週間ほど校正をして現在に至ります。まだ再校の確認が残っていますが、書籍の作業としては過去最短ではないかと思います。翻訳作業なので自分で内容を考えなくてもよいとはいえ、かなりタイトなスケジュールでした。*2

内容的にはScalaのハマりがちなトラップや、意図しない動作をするコーナーケースをQ&A形式で解説するというものです。自分もこの本を読んで初めて知ることがあったり、Scalaのイディオムの背景が解説されており、Scala初心者の方にも、すでにScalaでばりばりコードを書いている方にも楽しんでいただけるのではないかと思います。

また、日本語版では、原著では前提知識を端折っていてちょっとわかりにくいかなと感じる部分に訳注という形で説明を追加していたり、原著のエラーと思われる部分を修正していたりします。

Scalaをより楽しむための副読本として手に取っていただければ幸いです。

原著はこちらです。Kindle版もありますが、出版元であるArtimaの直販サイトからはPDFでも購入することができます。

Scala Puzzlers (English Edition)

Scala Puzzlers (English Edition)

ちなみにScala逆引きレシピも最近のバージョンに対応させて、フレームワークやライブラリの解説に割いている部分を削ってsbtとユニットテストくらいまでの範囲で内容を充実させた改訂版を出したいと思ってはいるものの、まだまだ厳しそうな気配です。

そういえばもう一冊なんかあったような…。

*1:商品として成り立つかどうかは若干疑問がないわけでもないのですが、それは自分の胸の中にそっとしまっておくことにします。

*2:ScalaMatsuriにあわせて発売したかったのでスケジュールをずらすことはできなかったのです…。