イマドキのIDE事情 第121回 Scala開発はEclipseに決まり? 「Scala IDE for Eclipse 2.0」登場

IDE連載の第121回です。年末に原稿を送っていたのですが、諸事情により年明けの掲載となりました。今回は年末にリリースされたScala IDE for Eclipse 2.0を紹介しています。

EclipseScalaプラグインは初期の頃は非常に重く、使っていると異常に重くなったり、Eclipseごと落ちたりと実用に耐えうるものではありませんでした。しかし、2.0ではコードベースを刷新しJDTを拡張する形で再実装され、以前とは比べ物にならないほど使いやすい開発環境になっています。
個人的に、以前はScalaでのプログラミングにはIntelliJ IDEAを使っていたのですが、最近は完全にEclipseに移行してしまいました。基本的な使用感はJDTとほとんど変わりません。確かにプロジェクト内のファイルが増えるとかなり重く感じたり、ビルドは通っているのにエディタ上ではエラーが表示されていたり、細かい部分で挙動が不審だったりなど、まだまだ問題はありますが、それでも以前とは比べ物にならないほどの進歩です。
また、XMLリテラルやScaladocの補完ができないなど、IntelliJ IDEAのScalaプラグインと比較すると機能面で劣っている部分があるのも事実です。ただ、Typesafe社はIDEにも力を入れているようですし、Scala IDE for EclipseScalaが普及するかどうかの命運を握っていると言っても過言ではない重要プロダクトだと思うので、今後の改善は充分期待できるのではないでしょうか。
静的型付けのプログラミング言語は優れたIDEの存在によって真価を発揮するということはJavaEclipseが証明しています。Scalaは随分前からJavaの次世代言語と言われてきましたが、Scala IDE for Eclipse 2.0の登場によってようやくその真価を発揮できるときが来たのかもしれません。