エクストリームフットボール 欧州の勢力図を塗り替える巨大ドリンクメーカーの破壊的戦略

以前から楽しみにしていたレッドブル本を近所の書店でゲットできたので冬休みの課題図書として読んでみました。

近年サッカー界を席巻しているレッドブルグループの歩みがまとめられているのですが、レッドブルがブラジルでもクラブチームを保有していたり、アフリカでは失敗していたりなど、知らなかったこともたくさんあって面白かったです。ニューヨークでライト=フィリップス弟がアンリのサポートで覚醒して大エースとして活躍していたとか、カヌーテがアフリカでコンサル会社を経営してたりとかw エクストリームスポーツやF1など、サッカー以外の分野におけるレッドブルのスポーツへの取り組みについても触れられています。

しかし、あとがきでも書かれていますが、ラングニックはすでにレッドブルグループを離れ、ナーゲルスマンはバイエルンに移り、ナーゲルスマンの後を引き継いでライプツィヒの監督を務めていたマーシュは速攻で解任されてしまうなど最近は若干怪しい空気も漂っており、今後もレッドブルグループの躍進が続くのかは興味深いところです。

現実的にはライプツィヒブンデスリーガやELのタイトルを取るかCLで上位に進出するといったあたりが次の目標になると思うのですが、資金力があるとはいえ若い選手を育てて売る現在のスタイルだと監督がよっぽど有能でないと難しいのではというのが正直なところ。さらに若手として獲得した主力選手の中には売り時を逃した感のある選手も出てきており、転換期に入ってきている感があるのでここで舵取りを間違えると短期的にはしばらく低迷してしまうということもあるかもしれません。もしくはさらに他国のリーグに進出するなど予想外の手を打ってくるのか…。

なお、原著はこちらの模様。ちょっと読みづらい部分があるのは著者の方はこれが処女作というせいもあるかもしれません。分量もそれほどでもないので原著で読んでみてもよかったかも。