仕事ではじめる機械学習 第2版

トレジャーデータでの同僚である@chezouさんが著者に名を連ね、名著と名高い「仕事ではじめる機械学習」。恥ずかしながら第1版は読んでいなかったのですが改訂版が出たとのことでGW休暇中に読んでみました。

仕事ではじめる機械学習 第2版

仕事ではじめる機械学習 第2版

噂通りの名著というか怪著ですw タイトルの通り、機械学習アルゴリズムだけでなく、学習結果の評価方法やデータの集め方、システム構成やモニタリングなど運用にあたって留意すべきことなど「業務として」機械学習に取り組みにあたって留意すべき事項が書かれています。果ては機械学習の導入にあたっての立ち回り方など割と身も蓋もない(けれども実際のところ重要な)ことまで堂々と書かれていて、日本ならではの面もあるかもしれませんが、オライリーからこんな本が出せるのかと感動すら覚えてしまいました。

第1版は読んでいないので正確な差分はわからないのですが、この第2版ではML Ops機械学習モデルの検証、バンディットアルゴリズム、オンライン広告での機械学習といった章が新規に書き起こされているようです。ML Opsの章に関してはこの書籍でも書かれている通り、なかなかこれを使っておけばOKというものがなく(クラウドサービスが提供するサービスはガバナンス上の問題で使いにくかったり、OSSのものは既存インフラとの連携面で問題があったり等々…)内製してしまうパターンも多いのではないかと思いますが、今後この分野がどのように発展・定着していくかは興味深いところです。

全編通して著者の方々の知見に満ち溢れており、現場でのご苦労が偲ばれると共に読み物としても面白いので、業務で機械学習に関わりのないソフトウェアエンジニアの方が読んでも面白いのではないかと思います。今のところ日本語でしか読めない書籍ですので、日本人であることに感謝しつつ読ませていただきました。