ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方

話題のユニコーン企業本を早速読んでみました。分量もそれほどでもありませんし、日本語なので1日で読み切ることができました(翻訳ありがたい)。

内容については散々色んなところで書かれていますので今更ここで書くこともないかと思いますが、この本に書かれている内容はあくまで成功したテック企業のひとつの事例として捉える必要があるかと思います。

ソフトウェア開発プロジェクトの方法論であるアジャイルと比べ、エンジニア組織論はスコープが広く影響を及ぼす要素が多い割にサンプル数が少なく、本来はなかなか一般化して語ることの難しい領域だと思います。その割にこの書籍では(話をわかりやすくするために敢えてやっているのだと思いますが)大企業×スタートアップという二元論的な書き方や、「エンタープライズ」「ユニコーン」「テック企業」など言葉のチョイスからして煽り気味なところもあり、読者層によっては誤った受け止められ方をされ兼ねないと感じました。

エンジニア組織の話については思うところが多々あるのですが、ありすぎてこれ以上の感想をここで書くことはできそうにありません。また、こういった話題からは当面距離を置いてソフトウェアエンジニアリングに集中したいという個人的なモチベーションもあり、今のタイミングでこの本を読んだのは失敗だったかもしれないという気持ちもあります。良い本だとは思うのですが、残念ながら自分はピュアな気持ちで読むことができなかったです。