WEB+DB PRESSと私

技術系情報誌の廃刊ラッシュを乗り越え20年以上の長きに渡り続いていたWEB+DB PRESSがまさかの休刊ということで、WEB+DB PRESSにお世話になったソフトウェアエンジニアの端くれとしてWEB+DB PRESSとの思い出を書いてみたいと思います。

gihyo.jp

私がWEB+DB PRESSに出会ったのはちょうど新卒で横浜のとある弱小零細偽装請負SES企業に就職した直後のことでした。自社で立ち上げるサービスを社員教育を兼ねて(今思えば新卒社員をいきなり現場に売るわけにもいかず)Javaで作るということで、Webといえば学生時代PerlCGIを書いたりはしていましたが、Javaを触るのはほぼ初めてだったので、創刊号のTomcatJSPの記事を読みながら一生懸命動かしていた記憶があります。

gihyo.jp

その後も都内各所に派遣されたり幽閉されたりしながらSI業界の底辺で働いていた若かりし日の私にとって、WEB+DB PRESSJAVA PRESSJava Worldといった技術情報誌は様々な分野の最新技術について学ぶことのできる情報源であるとともに、記事を執筆されているスーパープログラマーの皆さんは憧れの存在でもありました。また、Java専門誌だったJAVA PRESSJava Worldと違ってWEB+DB PRESSは記事のバラエティも豊富で、当時自分からは遠い存在だと思っていたキラキラWeb界隈の様子を窺い知ることのできる貴重な場でもありました。

その後、OSS活動を行うようになり、その絡みで雑誌やWeb媒体で執筆の機会を頂いたり書籍を出させていただいたりもするようになったもののWEB+DB PRESSだけは縁がなかったのですが、2005年ついにJSF特集の際に当時個人でOSSとして開発していたJSF開発用のEclipseプラグインを紹介する記事を書かせていただいたのは一生の思い出です(多分WEB+DB PRESSで記事を書かせていただいたのはこれが最初で最後だったと思います)。

gihyo.jp

現在では技術情報はインターネットで最新の情報をいくらでも得ることができる時代ですが、自分から情報を取りに行くというスタイルだとどうしても自分が興味のある分野に偏りがちです。WEB+DB PRESSのような雑誌は自分が普段興味のない分野の情報にも触れることができますし、著者の方独自の知識や経験に基づいた記事など、単なる技術情報を超えたコンテンツも大いに魅力のあるもので、最近も気になる特集記事がある場合はちょこちょこ購入させていただいていました。

振り返ると駆け出しの頃にWEB+DB PRESSに出会っていなければ現在の私はなかったといっても過言ではありませんし、同じようにWEB+DB PRESSに育てられたという方も多いのではないかと思います。これで残る紙媒体の主要な技術系情報誌は同じく技術評論社さんのSoftware DesignだけになってしまいましたがWEB+DB PRESSの分まで末長く頑張って欲しいです。