詳説 データベース ―ストレージエンジンと分散データシステムの仕組み

購入してからだいぶ時間がかかってしまいましたがようやく一周読み終わりました。元々は原著であるDatabase Internalsを読んでいたのですが、邦訳が出るという話を聞いて読み進める気力を失ってしまっていたのでした。

内容についてですが、データベースといってもクエリ言語やクエリの最適化といった製品依存度の高いトピックについては触れられておらず、データベースの種類を問わず普遍的なトピックであるストレージおよび分散システムに関するかなり硬派な内容になっています。

邦訳になっていることで確かに原著よりも早い速度で読むことはできるのですが、特に後半に関しては取り扱っている内容自体の難易度もあり、日本語で読んだから理解しやすいかというとそういうわけでもない感じでした。知見のあるトピックであれば理解できるのですが、そうでないトピックに関してはこの本だけではなかなか理解が難しい部分もあり、日本語で読んでも意味がわからないので原著と比べると確かに原著でもそう書いてあるんだけど、英語でそのまま読んだ方が理解しやすいかもと感じるケースもありました。

とはいえデータ指向アプリケーションデザインと同じく、自分で調べるきっかけを与えてくれるという意味ではとても貴重な教材だと思いますし、まずは興味のある部分だけを読んでいくというような読み方もありなのではないかと思います。アプリケーションの設計・開発にも応用の効くデータ指向アプリケーションデザインと比べるとデータベースに特化した書籍なので対象読者は絞られると思いますが(内容的には被る部分もありますが)、同様にじっくり理解を深めながら繰り返し読みたい一冊ですね。

データ指向アプリケーションデザインももう一度読みなさなくては…。