Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス

原著の発売時から読んでみたいと思っていたのですが分量(600ページ超!)に躊躇していたところ、なんと読み始める前に日本語訳が出てしまったのでありがたく日本語で読ませていただきました。

体裁としてはSRE本と同じく体型的に章立った一冊の書籍というよりはショートエッセイ集という感じなのですが、トピックごとにまとまっていたり、章のタイトルから内容の想像が付きやすかったりということもあってSRE本と比べると読みやすかったです。訳書ならではの読み辛さや原文を確認しないと意味がよくわからない箇所はどうしてもあるのですが、それでもこの分量を英語で読むのにかかるであろう時間を考えると日本語訳が存在するのはありがたいことです。

内容についてはカルチャー、テスト、ツール、デリバリーなどそれぞれのカテゴリごとに一冊の本が作れてしまい愛そうなほど広範な内容を扱っています。分量もあるのでまずは気になったところだけ拾い読みする感じでもいいかもしれません。

個人的にSRE本は「それってGoogleだからだよね…」と感じる部分が多くあまり参考にならないなぁと思ったりしたのですが、今回は一般的なソフトウェア開発組織でも(少なくとも数十名〜数百名規模のエンジニアリング組織であれば)比較的身近であろうトピックが多く、すでに実践しているプラクティスでも改善のヒントが得られたり、普段自分たちが困っている問題に関してGoogleでも解決できていないこともあるんだなぁといった部分を含め、全編通して興味深く読み進めることができました。