System Design Interview – An insider's guide

Amazonで見かけて評判が良さそうだったのとKindle版が安かったので読んでみていました。

ソフトウェアエンジニアの面接でのシステムデザイン課題に関する書籍で、様々なシステムを題材に設計例を紹介する、というものです。要件の確認や、まずシンプルな設計から始めて詳細を詰めていくなど面接に沿った流れになっているのですが、この流れは普通に読み物としても読みやすいです。図も多く、英語も簡単でかなりサクサク読むことができました。

2020年に出た書籍ということで題材に若干時代を感じるものがあったり、後半に進むにつれシステムの題材が大規模なものになるせいか設計例にエアプ感が出てくるような気がしなくもないですが、面接の限られた時間でできる範囲ですのでこのくらいで丁度いいのかもしれません。

コーディング面接と比べるとシステムデザイン面接は実践的と言われますが、題材がふわっとしていて自由度も高いので面接官側はかなり難しいんですよね。コーディング面接よりもよりコミュニケーションが重要になりますし、ナビゲーションを一歩間違えるとあらぬ方向に行ってしまったり…。実際に自社で開発・運用しているシステムを題材にするのも勘所があまり一般的ではなかったりで実は結構難しかったりします。本書は受験側だけでなく出題側にも参考になるのではないかと思います。

なお、後から知ったのですが、最近日本語版も出ていたようです。Amazonのレビューを見ると翻訳がイマイチなようですね。

また、2022年には原著の続編が出ているようで、さらに様々なシステムが題材として取り上げられています。こちらはKindle版はないみたいで、ペーパーバックだとなかなかいいお値段なのでちょっと気軽に読んでみるというのは躊躇してしまいそうです…。